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【分かった気になれる映画紹介】シュウシュウの季節/ Xiu Xiu: The Sent Down Girl を分かりやすく説明/解説 ※ちょっとネタバレあり

公開日:1999年4月29日
製作国:アメリ
監督:ジョアン・チェン
脚本:厳 歌苓(ゲリン・ヤン、Geling Yan)
ジャンル:ドラマ
境遇/世界観:中国_文化大革命_上山下郷運動_不条理
面白かった度:★★★

 

シュウシュウの季節は 、

 

文化大革命中の中国で、下放で幼いながら農村に遊牧を学びに行くことになった少女シュウシュウの、不条理で悲痛な物語

 

です。


少し詳しく説明すると、

 シュウシュウは中国四川省成都に両親と妹と四人で暮らしていました。決して裕福な家庭ではありませんでしたが、温かい家庭でした。

シュウシュウは無垢で無邪気な少女で、最近では学校で気になる男の子ができたりする年頃の女の子でした。

 

その頃の中国は文化大革命時代の1975年、青少年の思想教育を表向きな目的とし(都市部で深刻化していた失業問題を解消するため等の理由もあったと言われている)都市部の青少年を一定期間故郷から離れた農村に送り、働かせるという運動が行われていました。(裕福な家庭やコネがある家庭は免除されていた)

シュウシュウも例外ではなく、地方の農村に送られることになりました。

 

家族と離れ農村で生活を始めてから一年が経ち、シュウシュウは新たに別の場所で働くことになり、老金という1人で生活をしている遊牧民の下で遊牧を学ぶことになりました。f:id:the-art-of-navigation:20180527222630j:plain

シュウシュウは初めのうちは遊牧にも興味を持たず、ぶっきらぼうな老金と家屋で二人きりで生活することにも抵抗がありました。早く故郷に帰りたいと、いつも思っていました。

 

老金は愛想は良くありませんでしたが優しい心を持っていて、シュウシュウにも不器用なりに思いやりを持って接しました。そんな老金にシュウシュウも徐々に打ち解けていきました。

 

そうしてシュウシュウは順調に遊牧を学んでいき、予定されていた期間を終え故郷に帰る日を迎えました。シュウシュウはとびきりのお洒落をし、本部からの迎えを今か今かと心待ちににしていました。

 

しかしいくら待っても迎えは来ませんでした

何日待っても一向に迎えは来ませんでした。

実はその時、文化大革命の運動は衰退しており、あろうことかシュウシュウは本部から忘れさられてしまい、迎えは来なかったのでした。

 

諦めずに待ち続けるシュウシュウでしたが、そんなところにある若い商人の男が現れました。

彼は故郷へ帰りたがっているシュウシュウに「故郷へ帰るためには役人からの許可証が必要で、俺は役人にコネがあるから手に入れることができる。」と言いました。

 

シュウシュウにはそのようなコネはなく、その男に頼るしかありませんでした。そしてシュウシュウはその男の口車に載せられ、言われるがまま体を許してしまいます。

 

しかし、一向に故郷に帰れるような気配はありませんでした。

そして、同じようにシュウシュウの弱みに漬け込んで体の関係を迫る男たちが、シュウシュウのところに次々と現れるようになりました。

 

どうしても故郷に帰りたかったシュウシュウは、男たちを信じるよりほかなく、彼らに体を許してしまうのでした。

老金はしばしばその現場に遭遇しシュウシュウを心配しますが、シュウシュウは故郷に帰るためだと言い、辞めようとはしませんでした。

しかし本部からの迎えが来ることはなく、次第にシュウシュウの心は荒んでいき、自暴自棄になってしまった彼女は、只々自分を求めてくる男たちと関係を持つ日々を送っていました。

 

そしてある日、シュウシュウは妊娠しました。父親は誰だかわかりません。

見るに見かねた老金はシュウシュウを病院へ連れていき、堕胎手術を受けさせました。

そして老金は、シュウシュウのために男達のたまり場に乗り込み復讐しようとしますが、シュウシュウはそれを止めました。

シュウシュウは手術後まだ十分回復していない状態で病院を出ようとしましたが、途中で倒れてしまいます。老金は彼女を抱きかかえ、家屋に戻りました。

 

 シュウシュウは病院で、自分の足を撃つことで怪我人を装って通行証を得たという男の話を聞き、同じことをしようとしました。

銃口を自分の足に向け、老金には事故で怪我をしたことにしてほしいと頼みました。

老金は見ていられず、目を背けます。

しかし、シュウシュウは引き金を引くことができませんでした。

 

そしてシュウシュウは、老金に自分の足を撃つように頼みました。

老金は少し考えた後、銃を手に取り、銃口をシュウシュウの頭に向けました。

するとシュウシュウは老金に少し待つように言い、自分の立つ場所を変え、髪型を整えました。

老金はシュウシュウの覚悟を悟ったかのように、再び銃口をシュウシュウの頭に向けました。

 

シュウシュウは微笑みました。

一発の銃声が響いた後、老金は静かに眠るように亡くなったシュウシュウを埋葬し、

そのすぐ後に、もう一発の銃声が響き渡るのでした。

 

映画を簡単にまとめると、

何の罪もない健気で無垢な少女が、国の粗末な政策によって、とても残酷な運命を辿る話。

 

です。